山嶺

メニュー

カナディアン・ロッキー バカブー峰 登攀記

※写真をクリックすると拡大したものを見ることができます

初日 晴れ

23キロあまりの荷を背負い、3時間15分をかけてゆっくり登ると目指すケインハットにたどり着いた。登山道のお花畑は昨年より美しいようだった。小屋の様子は昨年と変わらない。懐かしい。早速寝床を確保することに。今回のメンバーは10名である。10個のシュラフがズラーと並んだ


2日目 雨のち晴れ

 3時に起きて行動しようとしたら雨が降り出した。気を取り直して雨のやむのを待ちトレッキングへ。
前方にスノーパッチが大きく見えている
 10:00スタート。ピジョンスパイヤーの方へ氷河歩きに出かける。
小屋を出てモレーンを抜ける。巨大な岩がごろごろしたりガレ場にずるりとすべったり歩きにくい。
 氷河に出たところでアイゼンとヘルメットを付けバイルを出す。氷は硬い。次第に傾斜が強くなり慎重に登る。岩場よりかなり歩きやすい。道を選ばなくていいし、慣れれば硬い氷を歩くことが心地よい。この氷河を超えたら雪渓が現れた。今朝の雨は、ここの高度では雪だったのだろう。ラッセルするI部さんのトレースは歩幅が大きいが頑張って歩く。高度のせいか息が切れる。
スノーパッチスパイヤーの裏手を抜け、ピジョンスパイヤーの取り付き迄行きたいが大きく口を開けるクレパスに阻まれて行けない。雪渓の向こうに何があるのだろうとふうふう息を切らせて登るが、幅2m位のクレパスが切れ落ち超えられない。
 しかし素晴らしい景色である。17時位まで存分に歩き回った。


三日目 雨
ゆうは荒れの天気だった。雨が降り雷が爆音を轟かせて地鳴りがしていた。夜が明けても雨が降り続いている。誰も起きる気配がない。寝すぎて腰が痛くなった。

四日目 雨のち晴れ
バカブーの取り付きを下見に行く。
ハットを出るとすぐに登りである。川を
二度渡渉しバカブーに向かい高度を上げて行く。きれいにトレースがついている所もあるが岩の上など選んで歩くところもあり怪我をしないよう歩くのが大変である。ところどころに氷河が溶けて美しいレイク(湖)が出来ている。レイクは青く美しい。

二時間程でバカブーの基部に着いた。雪の上の大岩に乗りハーネスと靴を着ける。
バカブーの取り付き迄は三ピッチ程登らなければいけない。取りあえず登ってみた。

五日目 晴れ
バカブー登攀

画像:朝焼けのバカブー

昨日の偵察で取り付きまでの近道を確認。1時間20分程でバカブー基部に着く。
下部 1ピッチ
階段状のクラックを楽しく登る。
スケールは比叡山の3倍くらいありそうだ。ここは簡単で楽しい。

2ピッチ3ピッチと順調にザイルを伸ばすとバカブーノースウエストリッジ(NEリッジ)のコルに着く。
巨大な岩場を乗り越えて行くと、コルの雪田が目の前に広がった。左脇の踏みあとを歩いて進む。

その後2ピッチのスラブが、ここはリードさせて貰う。息を切らせて一気に2ピッチ登ると取り付きに着いた。

画像:ここからがバカブーNEリッジ登攀の始まりである。
ハットを6時に出てもう10時になっていた。
1ピッチ 5.7
クラックを5m程直上その後ハンドトラバースで右に移動そして直上

画像:ハンドトラバースをするKさん
2ピッチ 5.6
xフレークの連続。シビアな所で思わず叫ぶ「張ってー」 なんとかクリア。
3ピッチ 5.7 一段下がりフェースを登り右側へトラバース。高度感に興奮する。

画像:ピナクルに移る時は考えてパズルを解くように楽しかった。

Y永さんは足を大きく広げてピナクルに乗り移っていた。K藤さんはそんなに広げていない。T永さんは始めからピナクル側の壁をレイバックで取り付いているが壁が
立っているので苦しそうである。
私はなるべく手前の壁で我慢して登り、足が届く所で乗り移った。ここからの眺めは又格別である。遠くロッキーの山並みが一点の曇りもない青空に浮かんでいる。

4ピッチ目は北側の壁でジェードルの垂壁をクラックに指を入れて登るのであろうが、北側に回り込み壁の状態を見ると、コーナークラックに氷が付き壁も氷がついていた。これ以上の登攀は無理とのK山リーダーの判断でこれより下山する。
長い懸垂を繰り返して下山した。

バカブー登攀  メンバー 石橋他5名
(総勢 石橋他9名)

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送